内装工事中にレジの配線を決めるなら、先に置く機器の一覧と寸法、ケーブルの接続先をそろえます。コンセントの口数だけを先に指定すると、大きな電源アダプターが隣の差し込み口をふさいだり、ドロアを開ける余地が足りなかったりします。
開業準備全体は店舗IT機器のチェックリストで整理し、ここでは施工担当者へ渡す配線・設置条件に絞ります。
機器ごとに電源と接続先を書く
表は横にスクロールできます。
| 設置するもの | 電源・接続の確認 | 寸法以外に確保したい場所 |
|---|---|---|
| レジ用タブレット・スタンド | 充電器、給電ケーブル、対応する周辺機器 | 画面の角度、充電端子へのアクセス |
| レシートプリンター | 電源、LAN・USB・Bluetooth等の対応方式 | ロール紙交換、排紙、ケーブルの曲げ余地 |
| キャッシュドロア | 手動か、対応プリンター等からの連動か | 引き出し全開時の奥行き、鍵の操作 |
| 決済端末 | 給電、充電台、必要な通信 | お客様の操作、暗証番号の見え方 |
| ルーター・ネットワーク機器 | 電源、回線の入口、接続台数 | 放熱、交換、清掃 |
| 防犯カメラ・録画機 | 給電方式、ネットワーク、録画先 | 点検、録画機の保管、配線経路 |
機種によって、ドロアの独立電源が不要な構成もあります。PoEはLANケーブルで給電する方式ですが、カメラと給電機器の両方が対応している必要があります。すべてのプリンターやカメラを同じ配線で使えるわけではありません。
コンセントの数と電気容量を分けて確認する
上の一覧から必要な差し込み口を数え、同時に使う充電器や予備機も足します。口数が足りることと、電気容量に余裕があることは別です。各機器の定格と同時使用する負荷を電気工事担当者へ伝え、回路や設置方法を相談してください。
延長タップを使っただけで必ず火災になるわけではありません。NITEは、ほこり、水分、コードへの無理な力、接続部の劣化などによる事故を案内しています。タップ等の定格を守り、踏まれる場所や清掃できない場所へ押し込まない配置にします。壁内配線やコンセント増設は施工業者へ依頼します。
天板の配線穴とLANの出口を図面に入れる
配線穴は、通すケーブルのコネクターと電源アダプターの大きさ、束ねる本数を確認して決めます。穴を小さくすると部品が通らず、大きすぎると什器や機器との干渉が出ます。機器の設置説明書と天板の構造を施工担当者へ渡してください。
有線LANを使う機器は、ルーター等から機器までの経路を図面に入れます。必要に応じて予備配管や追加配線の経路も相談し、点検・交換できる状態を残します。Wi-Fiのみの機器にLAN端子を用意しても、そのまま接続できるわけではありません。
配線の両端に接続先を示しておくと、開業後の機器交換時に追いやすくなります。店舗の通信設備の基本も併せて確認できます。
防犯カメラは台数より「何を確認したいか」から決める
レジの受け渡し、出入口、商品棚では、必要な向き・距離・画角が異なります。「2台が鉄則」と決めず、図面上の設置位置と実際の映像を照合します。
表は横にスクロールできます。
| 確認したい場所 | 設置前に試すこと |
|---|---|
| レジの手元 | スタッフやお客様の体で隠れないか、受け渡しを確認できるか |
| 出入口 | 逆光や夜間照明で見え方が変わらないか |
| 商品棚 | 棚や掲示物が死角を作らないか |
| 録画機・保存先 | 保存期間、閲覧権限、取り出し方法、通信が切れた際の録画 |
上から撮るだけで紙幣の金種や指先まで必ず判別できるわけではありません。解像度、距離、照明、レンズなどを含めて撮影例で確認します。撮影範囲は必要な場所に絞り、スタッフへの周知や録画データを扱う担当者も決めておきます。
撮影範囲と配線工事を含めてカメラを相談する場合
防犯カメラ設置の比較窓口です。店内図面、確認したい場所、内装工事の予定を伝え、撮影例・設置位置・工事範囲を紹介先へ確認します。
内装の工程と、回線工事の日程を合わせる
壁や天井を閉じる前に通したい配線があれば、その工程の締切を現場担当者に聞きます。後付けでも施工できる場合はありますが、方法や追加費用は建物と配線経路次第です。「必ず2倍」といった倍率では見込みません。
光回線も、開業1か月前なら間に合うと保証されるものではありません。物件の設備、貸主の承諾、工事内容、予約状況を確認して工事日を調整します。未開通の場合は、対応するモバイル回線で必要な決済・POSを使えるか事前に試します。詳しい準備は光回線工事が開店に間に合わないときの対処へまとめています。
施工担当者へ渡す確認表
- 機器の型番・数量・外形寸法と、ドロア開閉や用紙交換の余地。
- 電源アダプターの寸法、消費電力、必要な差し込み口。
- LANやその他ケーブルの始点・終点・配線穴の位置。
- カメラの設置位置、撮影対象、録画機・電源の置き場所。
- 工事範囲、支給する機器、施工側が用意する部材。
- 壁・天井を閉じる日、回線工事日、機器を動かして試す日。
施工完了時は見た目だけでなく、会計・印刷・ドロア開閉・通信・録画を実機で確認します。図面と機器一覧を保存し、変更した配線も書き直しておくと、故障時に原因をたどれます。