店舗の売上が増えているのに、口座残高が思ったより増えない。これは、現金、カード、QR決済で入金のタイミングが違うために起きやすい問題です。
小規模店では、会計ソフトを完璧に使いこなす前に、まず「今日売れたお金」と「今日口座に入ったお金」を別に見るだけで、資金繰りがかなりわかりやすくなります。
売上と入金を同じ列にしない
現金売上は、基本的にその日のレジに残ります。一方、カードやQR決済の売上は、数日後や翌週以降にまとめて入金されることがあります。
日報では、最低でも次のように分けます。
| 日付 | 現金売上 | カード売上 | QR売上 | 当日入金 | 入金予定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7月8日 | 30,000円 | 45,000円 | 10,000円 | 0円 | 55,000円 |
この表があると、「売上が消えた」のではなく、「まだ入金されていない」ことがわかります。
毎日5分の締め作業で見ること
営業終了後、次の順番で確認します。
- POSレジやレジアプリの総売上
- 現金の実残高
- カード・QRなど決済方法ごとの売上
- 返金・取消・値引きの有無
- 入金予定日の更新
ここで大事なのは、数字がぴったり合わない日に「後でまとめて見る」としないことです。差額が小さいうちなら、レシート、会計履歴、スタッフの記憶から原因を見つけやすくなります。
手数料は売上ではなく「入金額」で確認する
キャッシュレス売上は、手数料を引いた金額が入金されることがあります。売上だけを見ていると、実際の入金額との差に驚くことになります。
支払い方法ごとに、次を一覧化しておくと安心です。
- 売上が確定するタイミング
- 手数料
- 入金頻度
- 振込手数料
- 返金時の扱い
月末にまとめて確認するより、入金があった日にPOSの売上と照合する方が、原因を追いやすくなります。
POSレジを使うなら、見る数字を決める
POSレジは多くの数字を見られますが、全部を毎日見る必要はありません。小規模店舗なら、まず次の3つで十分です。
- 今日の総売上
- 支払い方法ごとの売上
- 商品別またはカテゴリ別の売上
週に一度だけ、時間帯別や売れ筋を見ます。数字を見る目的は、報告書を作ることではなく、仕入れ、スタッフ配置、メニュー改善に使うことです。
よくあるズレと対処
現金が合わない
釣銭の渡し間違い、現金会計の入力漏れ、返金処理の記録漏れがないかを確認します。現金残高を数える担当と、レジ画面を見る担当を分けると、思い込みを減らせます。
カード売上と入金額が違う
入金対象期間、手数料、返金、取消、入金サイクルの違いを確認します。決済サービスごとに入金明細の見方が違うため、最初は画面やCSVを保存しておくと安心です。
売上はあるのに資金が足りない
仕入れや家賃の支払い日より、キャッシュレス入金日が遅い可能性があります。入金予定表を作り、必要なら現金の残し方や支払日の調整を考えます。
続けやすい形にする
複雑な表は続きません。最初はスプレッドシート1枚で、日付、支払い方法別売上、入金予定、実入金だけを記録してください。
会計を整えるときは、正確な帳簿を作る前に、「今日は何が売れ、いつお金になるか」を全員が説明できる状態を作ることが第一歩です。