店舗のレシートをインボイスとして発行するには、POSの登録番号だけでなく、商品の税区分と印字内容を確認します。紙を出せるプリンターがあることだけでは、要件を満たすか判断できません。
小売業・飲食店業などの対象となる取引では、宛名を省略できる「適格簡易請求書」を発行できます。まず自店の取引が該当するかを国税庁の記載事項案内で確認してください。
適格簡易請求書に記載する項目
表は横にスクロールできます。
| 項目 | レシートで確認する内容 |
|---|---|
| 発行者 | 氏名または名称と、適格請求書発行事業者の登録番号 |
| 取引日 | 取引年月日 |
| 取引内容 | 商品・サービスの内容。軽減税率対象ならその旨 |
| 税率別の金額 | 税率ごとに区分して合計した税込金額または税抜金額 |
| 税率・税額 | 適用税率、または税率ごとに区分した消費税額等 |
通常の適格請求書と異なり、適格簡易請求書では適用税率と消費税額等の両方が必須ではありません。どちらかを記載すればよく、宛名も省略できます。POSが両方を印字する場合は、その計算・表示が正しいか確認します。
インボイスの要件は主に消費税の仕入税額控除に関わるものです。「登録番号がなければ経費にできない」「一項目欠けたら例外なく控除不可」といった説明は、経費計上や特例・経過措置との区別を欠きます。受取側の処理はその事業者の適用条件で判断されます。
レシートの内容を表で確認する
以下は印字項目を点検するための例です。登録番号は自店に交付された番号を設定します。
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| 印字欄 | 確認例 |
|---|---|
| 店舗情報 | 自店の名称、登録番号、取引日 |
| 商品明細 | 持ち帰りの飲食料品は軽減税率対象であることを示す。店内飲食とは区別する |
| 税率別集計 | 8%対象の税込合計、10%対象の税込合計などを分ける |
| 税率・税額欄 | 適用税率または税率別の消費税額を確認する |
| 合計欄 | 商品明細・税率別集計と支払総額が一致するか |
同じコーヒーでも店内飲食と持ち帰りでは税区分が異なります。メニュー登録時だけでなく、会計時の区分変更も試してください。
消費税額を記載するときの端数処理
インボイスに記載する消費税額等は、1枚につき税率ごとに一度の端数処理で計算します。商品ごとに処理した税額を単純に足す方法とは区別してください。
たとえば税抜333円の商品を2つ、10%で販売した場合、税抜合計666円に対する税額は66.6円です。切り捨てなら66円、四捨五入なら67円となります。どの丸め方を採るかと、商品価格の内税・外税設定を確認します。
POSの設定・バージョンが対応していても、商品ごとの税率が誤っていれば正しいレシートにはなりません。
POS設定から試し印刷まで
- 自店の登録状況と登録番号を確認する。
- 店舗名・登録番号を、利用中のPOSの公式手順に沿って設定する。
- 商品の税率と内税・外税を確認する。
- 複数税率、値引き、返品、領収書の印字を試す。
- 明細と合計、税率別集計、文字切れを確認して運用を決める。
設定画面名は各社で異なります。対応プリンターを使っている場合でも、印字できる項目はアプリ・機種・紙幅・レイアウトで変わります。58mmでも対応できる構成はありますが、自動で全部収まるとは決めつけず試し印刷をしてください。プリンターの選び方も参考にできます。
手書き領収書を求められたとき
レシートが要件を満たしている場合は、その内容を案内します。別の領収書を発行するなら、同じ取引であること、金額・税区分が一致していることを確認し、二重に売上登録しない運用を決めます。
複数書類を合わせて要件を満たす扱いもありますが、ホチキスで添付するだけで不足がすべて解消するとは限りません。書類間の関連と記載内容を確認してください。
よくある疑問
登録していない店舗もT番号を印字できますか?
自店に交付されていない登録番号を使ったり、適格請求書と誤認される表示をしたりしないでください。未登録の店舗でも通常の取引を記載した領収書等は発行できます。
プリンターを買い替えれば対応できますか?
プリンターだけでは決まりません。POS側の対応・設定・印字内容を先に確認します。現在の機種で必要項目を出せるなら、買い替えが不要な場合があります。
会計ソフトの連携も設定すべきですか?
税区分が正しく引き継がれるかを確認してください。レシートが正しくても、会計側の設定や取り込みが正しいとは限りません。POSと会計ソフトの連携で確認点を整理しています。