全東信を通じてカード決済を受け付けていた店舗では、端末の電源が入っていても、これまでのように決済を続けることはできません。破産管財人の案内では、加盟店向けのクレジットカード決済代行と付帯サービスは中止され、端末は今後利用できないとされています。
さらに、破産手続開始までに立替払いを受け取っていないクレジット売上については、従来の支払期限どおりに支払われず、破産債権として扱われる案内です。まず必要なのは、代替サービスの広告を急いで探すことではなく、今日の会計を止めない対応と、未入金売上の資料を残す対応を同時に進めることです。
この記事は、決済端末の利用停止で困っている店舗向けの整理記事です。破産債権の届出、債権回収、契約上の権利義務について結論を出すものではありません。個別の手続きは、破産管財人の案内や必要に応じて専門家へ確認してください。
まず今日やることは3つ
1. 全東信の端末で新しいカード決済を受けない
「端末は起動する」「カードを読めそう」という状態でも、決済代行サービス自体が中止されている以上、売上を安全に受け取れる前提にはなりません。スタッフ全員へ、全東信の端末で新しいカード決済を受け付けないことを共有してください。
レジ前に端末が残っている場合は、誤って使わないように撤去するか、「使用停止」と分かる表示を付けます。会計の混乱は、オーナーだけが状況を知っていて、アルバイトや現場スタッフが通常どおり操作する時に起きやすくなります。
2. 未入金売上と契約資料を、日付付きで保全する
未入金の可能性があるなら、記憶ではなく資料で残します。最低限、次を一つのフォルダにまとめてください。
- 未入金と思われる売上の対象期間、日付、金額、件数
- 日次締めのレシート、売上明細、管理画面の画面保存
- 加盟店番号、端末ID、契約書、請求書、入金予定表
- 直近で実際に入金された日と金額
- 全東信・カード会社・関係団体から届いたメールや通知
- 端末の写真と、端末に表示されたエラー内容
この時点では「いくら戻るはずか」を断定するより、いつ・どの取引が・どの状態で未入金なのかを第三者にも追える形にすることが重要です。後から明細を探すより、営業を続けながら今日のうちに保存しておく方が負担を減らせます。
3. 今日からの会計ルールを暫定で決める
会計が完全に止まると、売上だけでなく接客やスタッフの判断まで乱れます。新しい決済サービスを導入するまでの間は、受け付ける支払い方法を明文化してください。
| 会計の状態 | 今日決めること | 現場への伝え方 |
|---|---|---|
| 現金は受けられる | 釣銭・締め担当・保管方法 | 「現金は通常どおり。カードは一時停止」 |
| QR決済など別手段が残っている | 使えるブランド、返金時の担当 | 「利用可の決済だけをレジ前に表示」 |
| すべてのキャッシュレスが止まった | 案内表示、会計方法、再開予定を断定しない | 「現在カード決済を停止中」と短く案内 |
| 予約・デリバリー・オンライン決済がある | 影響する販売経路と顧客対応 | 「店頭会計とオンライン決済を分けて確認」 |
「今日中に何とかカードを使えるようにする」ことだけを目標にすると、端末、レジ、通信、レシート、取消処理がつながらないまま導入してしまいます。暫定対応と恒久対応を分けるのが大切です。
未入金売上について、今は何を確認すべきか
全東信の案内では、破産手続開始までに立替払いを受けていないクレジット売上は破産債権として扱われ、従来の支払期限どおりには弁済できないとされています。ここは、新しい決済端末の導入とは別の問題です。
そのため、切替先の事業者へ相談する時も、未入金売上の回収・破産手続についての回答を期待しない方が安全です。代替サービスが支援できるのは主に「今後のカード決済をどう再開するか」であり、過去の売上の扱いは、破産管財人や関係先の案内に沿って確認する必要があります。
整理しておくと確認しやすい質問
- 未入金として把握している売上の対象期間はいつからいつまでか
- 立替払い済みと未払いの境目はどの入金日か
- 破産管財人から債権届出や照会に関する案内が来ているか
- 今後の連絡先・公式のお知らせページはどこか
- 店舗側で追加提出が必要な明細や契約書は何か
不安なときほど、SNS上の断片情報だけで手続きや回収見込みを判断しないでください。公式のお知らせと、自店で保全した明細を突き合わせて進めるのが優先です。
カード決済を再開するまでの、失敗しにくい順番
全東信の案内では、カード決済を再開するためには、改めてカード会社との加盟店契約を結ぶ必要があるとされています。ここで重要なのは、端末の見た目から選ばず、先に営業の状況を分けることです。
パターンA:まずは店頭カード決済を早く戻したい
カウンターでの会計が中心で、商品・在庫・注文の管理は今のままでよい場合です。このケースは、次を優先して比較します。
- 自店が受けたいカード・電子マネー・QR決済に対応するか
- 申し込みから利用開始までに必要な審査・端末手配・初期設定は何か
- いま使っているレジで金額を二重入力する必要があるか
- 入金サイクルと振込条件が資金繰りに合うか
- 返金・取消・通信不良の時に現場で対応できるか
この段階では、カード決済の再開に直接必要なサービスを優先します。POSレジやタブレットは、今日必須でなければ後から増やす選択もあります。
特にSquare(スクエア)は、最短即日からの利用開始にも対応しており、緊急時の切り替え先として非常に有効です。
パターンB:今回を機に、レジ・売上管理もまとめ直したい
手入力の売上集計、商品登録、在庫、注文、スタッフ別の管理などに以前から負担を感じていたなら、単なる端末交換ではなくPOSレジを中心に考える余地があります。
ただし、「POSレジを入れれば今日のカード決済が必ず再開する」という意味ではありません。決済端末との連携、審査、周辺機器、初期設定は別々に確認する必要があります。開店時間が迫っている場合は、まず暫定の会計方法を確保し、そのうえでレジ運用の再設計を行ってください。
パターンC:テーブル会計・イベント・移動販売がある
持ち運び、電源、通信、レシート、混雑時の操作をまとめて確認します。店内の固定回線だけを前提にすると、屋外イベントやテーブル会計で詰まりやすくなります。
「端末だけ契約して、現場で使うスマホ・タブレット・回線が足りない」という状態もよく起きます。決済サービス選定と、現場端末・通信の準備は別のチェックリストで考えてください。
申し込みを急ぐ前に、店舗ごとに決める5項目
複数の案内を同時に見始めると、比較する軸がなくなります。次の5項目をメモしてから公式情報を確認すると、不要な契約を減らしやすくなります。
| 確認項目 | 店舗で決めること |
|---|---|
| 会計場所 | カウンターのみか、席・屋外・出張先でも使うか |
| 支払い方法 | クレジット、タッチ、電子マネー、QRのうち何を必須にするか |
| レジ運用 | 会計だけか、商品・在庫・注文・売上分析まで必要か |
| 現場端末 | 既存のiPad・スマホを使うか、新しい端末が必要か |
| 資金繰り | 端末費用、月額、手数料、入金日をどこまで許容できるか |
このメモがあると、相談窓口や資料請求で「何が必要ですか」と聞かれた時に、必要な条件を伝えやすくなります。
いま使っている端末・Wi-Fiも一緒に見直す
今回のように決済サービスが止まると、端末や通信まで一気に見直したくなります。ただ、役割を混ぜないでください。
- 決済サービス:カード決済を受け付け、売上を精算するための契約
- POSレジ:商品、注文、売上、在庫などを管理する仕組み
- タブレット・スマホ:POSやオーダーアプリを操作する機器
- 通信回線:端末がインターネットへ接続するための環境
通信付きタブレットは、POSやオーダー、メニュー表示などの現場機器として便利な場合がありますが、単独でカード決済の代替にはなりません。決済を再開するサービスを先に決め、その利用条件に合う端末・通信を選ぶ順番が安全です。
最後に:今日の対応と、今月の見直しを分ける
全東信の破産による影響では、今日の会計をどうするかと、これからのレジ・決済の仕組みをどう組み直すかを分けて考えてください。
今日やることは、端末の使用停止、未入金売上の資料保全、スタッフへの周知、暫定の会計ルールです。今月やることは、新しい決済サービスの契約、POSレジの必要性、現場タブレット・通信の見直しです。
過去の未入金売上の問題と、今後のカード決済を再開する問題は別です。まずは売上資料を残し、営業を止めない暫定対応を決めたうえで、店の運営に合う構成を選び直してください。

